まだ誰にも話した事のない秘密の話です。

生まれ故郷の四日市に
お世話になった方々を喜ばせられる。
そんなお店を作りたい! 

そう思ったのが全ての始まりでした。

自分なりに勉強もして
若かりし頃、ちゃんこ当番として
大物力士達の胃袋を支えてきたその腕で
地元、四日市で開業しようと
準備を進めていました。

色んな方に試食をしてもらいましたが…
反応がイマイチ…
まだまだ素人料理の域を出てなかったのです。

そんな時に知人の知り合いで
現オーナーに出会いました。

『ウチでしばらくやってみー』

その暖かいお言葉に 
愛知県の焼肉 山に修行に行ったのです。


はじめての焼肉屋業務。
わからない事ばかりでした。
最初は数ヶ月でノウハウを学んで…
そんな甘い気持ちで、四日市から2時間かけて
通いました。
慣れない仕事に長時間運転の疲労。
疲れと焦りから、耐えない夫婦喧嘩。
身も心もボロボロになりながら 
半ば夢を諦めトラックの運ちゃんにでも
なろうかとも思って悩んでいました。

そんな私を見ていたオーナーは
全てを見透かしていました。

『そんな中途半端じゃ身につくものも身につかんぞ』

そう仰って、
岡崎にアパートを借りてくれました。

どこの馬の骨かもわからない私に
そこまで気にかけていただいて
本当に感動しました。

そこから私のハートに火がつき
もちろん自分の夢の為にもですが
オーナーへと恩返し、会社への貢献
を第一に考えがむしゃらに働きました!

結果、初代焼肉 山の小島店長と共に
焼肉 山を岡崎ナンバー1の
お店にする事が出来たのです!


そんな中、小島店長の高松出店が決まり
後任を任される事に。

はじめての店長業務。
今まで、横で見てきたつもりでしたが
全くわからない事だらけ…
失敗の連続で…

それでも何とか業績を落とすことなく
軌道に乗り始めた頃。


私の中に1つの思いが浮かんだのです。

焼肉 山にみえる常連さんと話していて

「ストレス発散の為に焼肉とビールで楽しむんだけど、最近は次の日に胸焼けでモヤモヤする」
なるほど
何かそんなメニューが出来ないかな?
そう考えて試行錯誤しだしたのです。

そのときに出会ったのが
『チリトリ鍋』
これなら、加茂園のとんちゃんを
より美味しく!そしてビールにも合う!
そして翌日に胸焼けをしない!
そんな料理が出来るのでは?

それからは、焼肉屋業務の間に
チリトリ鍋の試作に明け暮れました。

カレー味。
トマト鍋。
チーズタッカルビ。
ステーキ。
モツ鍋。


試食の数はゆうに1,000を超えました。
連日の深夜までの試食に
寝不足による疲労もピークに達した頃


『この味ならイケる!』


やっと、そんな味を出せるようになりました!
誰に試食させても
『これはイケる!』
『翌日もたれない!』
『ビールにあう!』

そんな評価をいただき
自信満々で発表しました。

しかし…

なんとも残酷な結果が待っていました…


『美味しいけど、焼肉屋でコレは出せないよ』


一瞬にして目の前が真っ暗になりました。
もちろん勝手に盛り上がっていた部分は
ありましたが…
ここまで商品が出来上がっているのに…
これを提供出来る場所がない…

私は酷く落ち込みました…
『こんなに美味しいのに…』
この先、どうしたらいいんだ…


そんなモヤモヤしていた数日後
オーナーからとんでもない発表が!


『お肉家 てらもと でどうだ?』


私は何の事かわかりませんでした。
キョトンとしていると

『チリトリ鍋、やりたいんだろ?お店を用意するからやってみろ!その代わり、焼肉 山の後任をちゃんと育てろよ!』


まさか…⁉まさか、まさか⁉
こんな事ってあるんでしょうか?

私の思いが現実に形になるんです!


本当に驚きと感動の連続でした。
そこから話しはトントン拍子でした。
後任の店長には、共に山を支えてくれた
平岩さんにバトンを渡し。


新安城の柳屋ラーメン跡地に
『お肉家 てらもと』開業しました!


諦めなければ夢は叶う!

まだまだ、大きな野望の第一歩ではありますが
これからますます精進していきます!